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仕事の勉強もゲームのように楽しめたら、自分のレベルもどんどん上げるのにな・・・
そんな時はゲーミフィケーションを使えばいいのよ!ゲーミフィケーションについて解説するわね!
ゲーミフィケーションとは
「ゲーミフィケーション」とは、ゲームに組み込まれている利用者を楽しませて熱中させる要素や仕組みをゲーム以外の分野に応用することです。
日本語では単に「ゲーム化すること」として認識されており、英語の「Gamificaion」からきています。
ゲーミフィケーションの目的
ゲームに組み込まれているような楽しめる仕組みを作ることで自発的に行動してもらうことが目的となります。
具体的には、ゲーミフィケーションはマーケティングや組織強化などで用いられているため、ユーザーとの関係性の強化や組織の生産性の向上などがあげられます。
また、ゲーミフィケーションとはあくまでゲームの要素を取り入れることであって、ゲーム化すること自体が目的ではないので注意しましょう。よく誤解されるポイントです。
「生産性を向上させるためにたっぷり時間をかけてゲーム化したけど、トータルで生産性が下がってしまった」では本末転倒よね!
ゲーミフィケーションに必要な要素
ゲームのようにレベルやポイントなど単独の要素を現実に導入すればよいということではなく、ゲームのように夢中になれる一連の行動デザインを行う必要があります。
そのために必要な要素について解説します。
全ての要素が必須といういうわけではなく、目的に応じて必要な要素を取り入れていくことがゲーミフィケーションの大切な考え方になります。
目的(ゴール)、目標の設定
「おお、勇者よ!旅に出るのだ」
ゲーム開始時に王様からこんなことを言われたらどうでしょう?
『目的は?』『何のため?』となり、「さあ、行こう!」とはなりませんよね。
そのため、目的や目標の設定が必要になります。
ゲームのプレイヤーにとって、この目的や目標が明確であればあるほどモチベーションの維持や達成率の向上につながります。
逆に目的などが曖昧だと、モチベーションが続かず達成率も低くなるので注意しましょう。
また、目的やゴールを設定する時に、「ストーリー性」や「ルール(制約)」を上手に設定するのが効果的です。
ストーリー性
「今晩の夕食のグレードを上げる」という目的より、「両親を魔物に殺された主人公が魔王から世界を救う」のようにストーリー性があったほうがのめりこみやすいですよね。
目的自体が壮大である方がモチベーションが上がりやすいといった特徴があります。
ルール(制約)
ルール設定をしないと、違法なことも含めて何でもありになってしまうため、ルールや条件のなどの制約を設定することが必要です。
GK以外手を使ってはいけないサッカーのように、制限がある方がゲームとしての面白さを引き立てたり、細かな試行錯誤ができたりするので、モチベーションの向上につながります。
課題(クエスト)
いきなり「魔王を倒すのじゃ!」と言われても何から手を付けていいかわからないですよね。
まずは「魔物の襲撃に苦しんでいる隣の村を救ってくれ」といったように、目的のために行動してもらうための課題を設定しましょう。
課題は、簡単なものから難しいものまで段階的に設定し、難易度に応じた報酬を設定するのがポイントです。
また、目的と同様に課題についてもちょっとしたストーリーを持たせるほうがモチベーションの維持には役立ちます。
ゲームにおけるクエストやミッションみたいなものね!
現状の可視化
目的や課題に対する進捗をわかりやすく可視化することで「何が足りてないか」「何をすべきか」などが明確化して行動しやすくなります。
数値化やグラフ化するなどわかりやすいほうがベターです。
競争者の情報がわかるようにする
ランキングなどで競争者の情報もわかるようにしたほうがモチベーション維持の効果は高くなります。
ゲームのレベルアップのように、成長や進歩が目に見えるとモチベーションが上がるよね!
アクションに対する即時のフィードバック
行動の結果に対して即座にフィードバックがあるとモチベーションが続きやすく、自己効力感も上がります。
ゲームで倒せない強敵が現れた場合、「装備や戦い方を変える」「レベルを上げる」といったことで倒せるようになるように、工夫や努力などの行動でどのように結果が変わるかといった確認ができるような仕組みが望ましいです。
報酬の設定
「ボス倒したの?お疲れ!」ではやる気出ませんよね。
課題をクリアしたら課題の難易度に応じた報酬を設定しましょう。
ポイントは報酬をもらうための条件を明確にすることです。
曖昧な条件だと、モチベーションが上がらないこともあるので、客観的な基準を作るようにしましょう。
また、報酬は3種類に分類することができます。
どれか一つの報酬を選ぶのではなく、目的に合わせて報酬を組み合わせて使うことが大切です。
- マネタリーリワード
- インナーリワード
- ソーシャルリワード
1:マネタリーリワード
賞金やポイントなど金銭的価値で評価される報酬です。
ゲーミフィケーションの報酬としてよく使われますが、報酬を目当てに行動するという「外発的動機」に基づいているため、長期的な取り組みというより短期的に行動を促したいときに有効です。
2:インナーリワード
達成感やスキルアップなど自身の中で意味を持つ報酬です。
長期的な取り組みの中では最も重要な報酬になります。
ただ、参加者によって報酬は変わってくるので、参加者の目的を明確に理解していないと機能しにくいといった側面もあります。
3:ソーシャルリワード
他者から承認されることで得られる満足感などの報酬です。
称号やステータスの付与、他者との交流などが該当します。
チーム化や仲間の設定
ソロでプレイするより、チームを組んだり参加者同士で協力させたほうが熱中できるケースも多いです。
人間には「誰かの役に立つ」「チームに貢献する」など、社会的な関係性を強化したいという欲求があるので、欲求を満たすことがモチベーションの向上にもつながります。
また、参加者間での物資や情報の交換、取引などトレード要素も生まれるので、ゲームとしての面白さも増します。
裁量権
「遊びたい時に遊べ、止めたい時に止められる」「自分のレベルに合わせて難易度を調整できる」「行動を自分の意志で選択できる」など、参加者が自分の意志で選択できる要素を盛り込むのも有効です。
ゲーミフィケーション活用時のポイント
参加者に合わせて設定を調整する
ゲームにおいても、全てのプレイヤーにとって魅力的なゲームというのはないですよね。
ゲーミフィケーションも同様で、全員にとって最適な設定というのは難しいので、参加者に合わせて調整する必要があります。
ゲームのプレイヤーというのは大きく4つのゲーマータイプに分類することができますので、それぞれの特徴について紹介します。
- アチーバー(Achiever)
- エクスプローラー(Explorer)
- ソーシャライザー(Socializer)
- キラー(killer)
参加者にどのプレイヤータイプが多いかを把握したうえでゲーミフィケーションの設定を行うと、効果が得やすくなります。
ゲーマータイプは「バートルテスト」というテストで判定することができます。
バートルテストはこちら
1:アチーバー(Achiever)
達成することに楽しみを見出すタイプです。
クエストをこなしたり、称号を集めるのが好きで、主体的にゲームを進めてくれるプレイヤーになります。
2:エクスプローラー(Explorer)
探検することに楽しみを見出すタイプです。
ダンジョン探検や、新エリアの発見などでテンションが上がる一方、単調な作業などは苦手です。
3:ソーシャライザー(Socializer)
社会的な他人との関わり合いを重視するタイプです。
掲示板やチャットへの書き込みなどが多いといった特徴があります。
4:キラー(killer)
他のプレイヤーのマウントをとることに喜びを感じるタイプです。
優越感に浸りたい願望が強く、ランキングなどで上位になることを望みます。
スマホゲームなどの重課金者に多いです。
ゲーム化ではなくゲーム要素の取り入れを意識する
ゲームの目的が「ユーザーを楽しませること」であり、楽しめるように設計されていますが、ゲーミフィケーションを取り入れようとしていることはそもそも楽しむようには設計されていないケースがほとんどです。
既にある仕組みの中にゲーム要素をはめ込んでいくため、完全なゲーム化をするのではなく、あくまでゲーム要素を取り入れるのだということを意識して行いましょう。
「ゲーミフィケーション=ゲーム化」ではないので注意してね!
最後に
ゲーミフィケーションに対する注目度は上がっているので、活用事例はどんどん増えていくことでしょう。
そんなゲーミフィケーションですが、最も有効な活用方法とは何でしょうか?
それは、「人生」にゲーミフィケーションを活用することだと思っています。
人生がゲームのようにわくわくしたらそれだけで幸せですよね?
個人的には、ゲーミフィケーションの活用といったレベルではなく、人生自体をゲーム化してしまうのが、人生のゴールの一つだと考えています。
人生ゲーム化については以下にまとめていますので、興味のある方は是非見てみてください。