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「幸福」とは人間の存在の究極の目的じゃ。
うるせーよ!早く金よこせ!
幸福とは
心が満ち足りて満足している状態。
誰もが追い求めるが、人の満足度とは個人の価値観に依存するため、「これをすれば必ず幸せになる」といった万人に共通のものはない。
人が満足するには以下の7つの感情的欲求がバランス良く満たされていなくてはならない
- 安心感
- 変化と多様性
- 自尊心
- 社外的なつながり
- 愛情
- 成長
- 貢献
幸福に関する7つの欲求
7つの感情的欲求は基本的な欲求と、高次的な欲求の二種類に分類される
基本的欲求
人間種が持つ感情に関する基本的な欲求。普段から意識していることは少なく、失って初めて気づくことが多い。
安心感
安心の反対派不安や恐怖であるが、不安や恐怖を感じていると幸福感は得られない。
幸福感を得るためには、安心、安定、確実感などを満たしていなければならない。
変化と多様性
一見、安心感や安定などとは相反するように見えるが、変化がなくても飽きてしまい不満を抱くようになる。
極端な恐怖や不安を抱かないレベルでの変化や多様性が必要。
自尊心
自分が重要な人物だと認識したいため、他人から尊敬、感謝されたいという感情。
社会的なつながり
人間種は社会的な活動を行う種族であるため、友人や家族、学校、会社等何かしらの集団に属してつながりを持ちたいと考える。
愛情
人間種が顕著に求める傾向があり、愛に飢えていると様々な問題行動を引き起こし周囲に迷惑をかけることがある。
高次的欲求
基本的欲求がある程度満たされたさいに生じる欲求
成長
日本など治安が良い先進国では基本的な欲求が満たされやすい傾向があるため、成長欲求が強くなりやすい。
貢献
他人に何かを与えたり、価値ある物の役に立とうとする感情。
幸福は2種類ある
記憶や思考による幸福
未来や過去について考えた時に感じる幸福感(満足感)。
あの時の旅行は楽しかった、来年はどこに行こうなどと考える時の満足感のこと。
経験による幸福
今現在感じている幸福感(満足感)。目の前の景色が素晴らしいと感じた時の満足感などのことを指す。
幸福を決める3つの要因
遺伝子:50%
「人生」というゲームは、ゲームバランスなどを微塵も考えておらず、ゲームスタートの段階で幸福度の50%が決まっており、特定の幸福の設定値をもって生まれてくる。
その人の幸福の基準であって、浮き沈みがあっても平均的に戻ってくる値。
デフォルトの値が高いほうが、当然幸福を感じやすい。
環境:10%
プレイヤーの多くが幸せになるために「お金」や「地位」などを求めるが、幸福度のわずか10%にしか寄与しないことが分かっている。
米国では、年収1000万ドル以上の富裕層の幸福度は、富裕層の雇っている従業員と比較して、やや高かっただけという総劇の報告もある。
本当に切迫した状況にない限り、生活環境は幸福度には大きく影響しない。
物質的な富は幸福度に影響するか
全く影響しない。
例えば、毎日お風呂に浸かる生活ができたのは、昔は貴族や富裕層だけであったが、現代では同レベル以上の水準の生活をしていても人々は満足していない。
幸せになるだろうと考えられている、広大な居住スペースや、様々な便利グッズや電化製品が増えても、実際問題私たちは幸せになっているわけではない。
「〇〇さへあれば、幸せになれるのに」は幻想である。
物質的な富ではなく、「他人が持っていないものを持っている」という「優越感」といった感情面の動きのほうが幸福度に影響する。
金や物を求めすぎると不幸になる?
金や物にこだわると、家族や友人との人間関係や、今を楽しむこと、社会貢献など、幸福になるために本当に必要な事を見落としがちで、いざ金銭面の目標に達しても幸福度が上がらないことがわかっている。
そのため、金儲けを一番の目標にしていた場合、人生の満足度は低く、精神疾患を患う率が高くなるリスクがある。
ブルジョワジー達の半数は「富があってもより幸せになることはなかった」と証言している。
また、超富裕層の1/3は「お金は問題を解決するより、問題をもたらすもの」といった格言を残している。
行動:40%
自分の幸福度の40%は、日々の行動で変えることができる。
お金と幸福の関係
お金だけでは幸福になれない
幸福は「記憶/思考」「経験による今現在の感情」に由来する2種類に分けることができる。
経験ベースの幸福度は、ある一定の金額で頭打ちになることがわかっている。
今現在の幸福は、お金ではどうにもならない。
お金は不幸にならないために役立つ
お金は「記憶/思考」由来の不幸を減らすことはできるが幸福度を上げるわけではない。
不安や困難などをお金で解決できるので、不幸は減らせる。
幸福かどうかは、自分の人生をコントロールできているかが重要だが、お金である程度はコントロールできるので、「お金」が大事なのではなく、「お金の使い方」が大事なのである。